ベートーヴェン ①ピアノ・ソナタ第17番ニ短調作品31の2《テンペスト》 ②ピアノ・ソナタ第21番ハ長調作品53《ワルトシュタイン》 ③ピアノ・ソナタ第26番変ホ長調作品81a《告別》 エミール・ギレリス(ピアノ) 録音:1981年10月、1972年1月、1974年12月ベルリン 瞑想的な楽句と嵐のような走句との対比が見事な効果を示す、初期の創作活動の最後を飾る《テンペスト》。伯爵に献呈されたことからその名が冠せられた、中期の雄大な傑作《ワルトシュタイン》。ルドルフ大公との別れを心理的に描写した《告別》。ベートーヴェンのネクスト3大ピアノ・ソナタを、現代的な知性やロマンティックな詩情を感じさせる、透明感のあるギレリスの演奏で収録した、彼が到達した晩年の芸術的昇華が刻印されたアルバムです。 「鋼鉄の巨人」と称されて強靭なテクニックを聴かせた若き日のギレリスに比べ、晩年は偉大なピアニストとしての円熟味を増し、現代的な知性やロマンティックな詩情を感じさせる透明感のある演奏を聴かせるようになりました。彼が亡くなる直前まで続けられたベートーヴェンのピアノ・ソナタ全集録音は惜しくも完成されませんでしたが、このアルバムの3曲にはギレリス晩年の芸術の昇華が見事に刻印されています。 ギレリスの演奏は、アシュケナージのようなダイナミックな躍動感があり、ポリーニのような完璧なテクニックを持ち、バックハウスのように気品があり、ルービンシュタインのように健康的で、巨匠達のあらゆる特徴を兼ね備えているのに一切の違和感が無く、自然であるというのが率直な感想です。一言で表現しようとすると、やはり「骨太」「鋼鉄のタッチ」等といった言葉がシックリとくるように感じます。ギレリスは自分自身の演奏を「リヒテルよりも遥かに下。」と位置づけしていたそうですが、このCDを聴くと音楽評論家の故・吉田秀和さんの「謙虚過ぎる。全盛期のギレリスの演奏はリヒテル、ホロヴィッツ、ルービンシュタインに少しも劣らない、あるいはそれ以上。」という評価が実感出来ます。 国内盤、帯無し、盤面傷無し *まとめ買い値引き致します(要事前コメント) 2枚購入→150円引き、3枚購入→300円引き 4~5枚購入→450円引き 、10枚以上は全品150円引き
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